「おいしい」のハードルをさげる

知人にAさんという人がいます。彼は頭も人柄も良く、また少し抜けているところがありいろいろな人に好かれています。
彼の良い所に「ご飯を食べるのが上手」というのがあります。「ご飯を食べるのが上手」とはどういうことかと言いますと、Aさんは美味しい物を食べると「おいしいおいしい」と大げさに思えるほどに喜んで食べるのです。一緒に食事している私達もそれを見るとなんだかいつもより美味しく感じてしまうほどです。
「おいしい」と口に出すのはとても良いことに思えます。作った人にしてみれば自分の料理の評価をはっきりと伝えてもらえるのはとてもありがたいし、それが良い評価ならなおのことです。
ここで我が身を省みると、自分が全く「おいしい」と口に出していないことに気づきます。普段口にしているものが不味いわけではありません。美味しさを5段階で評価した時に5のときにしか「おいしい」とは口に出していないのです。評価が4のときでも十分美味しいのですが美味しいとは言わず、むしろダメなところを口にすることが多い気がします。
こういった辛口な批評家風の行動に利点は全くないです。「私は味に厳しいんだぞ」感を演出するだけです。実際、私はそんな馬鹿なこと考えていました。これは明らかに中二病で、とても自慢できるものではありません。
これからは評価が3を超えるくらいの時は「おいしい」と口に出すことにします。